キジハタ(アコウ)は、釣った当日に刺身にすると、プリプリとした食感が楽しめますが、数日寝かせて熟成させると、しっとりとした食感になり、さらに旨味がまします。自分で釣ったキジハタを適切に処理して熟成させた刺身は最高の美味しさで、釣り師の特権と言えるでしょう。この記事では、キジハタの刺身の熟成のさせ方を紹介します。
キジハタの刺身を熟成させることでおいしくなる仕組み
キジハタの体内にはATP(アデノシンサンリン酸)と呼ばれる物質があります。この物質は、筋肉のエネルギーとなり、イノシン酸と呼ばれる旨味成分の原料となるものです。キジハタの死後、体内にあったATPは、酵素の働きによりイノシン酸に変化していき、旨味が増していきます。これが、キジハタを熟成させることで旨味が増す仕組みです。
キジハタの締め方と下処理
旨味のもととなるATPは、死後は増加しないので、締める前の過程が重要となります。
まず、キジハタを釣った後は、スカリやストリンガーで回復を図り、キジハタの体内のATPを回復させます。
次に、延髄を破壊して活け締めにし、エラを切って血抜きをします。
最後に、保冷して持ち帰ります。
キジハタの熟成のさせ方
キジハタを熟成させるには、1匹丸ごとでも柵の状態でもキッチンペーパーにくるんでからラップを巻いて冷蔵庫で保存します。キジハタを熟成させる時は、柵の状態にするよりも、1匹まるごとの方が、空気に触れる面が少なく、雑菌の繁殖が抑えられるので長持ちします。
1 鱗を取り、腹ワタを出します。
2 キジハタの水分を切ります。
キッチンペーパーで包むときに邪魔になるのでヒレも切ります。
3 キジハタの腹の中にキッチンペーパーを詰めます。
4 キジハタをキッチンペーパーで包みます。
5 キジハタをラップで包み、密封します。
6 キジハタを冷蔵庫で3日間ほど熟成させます。
キッチンペーパーにはキジハタからドリップがでているので、
毎日、取り換えるとよいと思います。
7 熟成させたキジハタを3枚におろし、刺身にします。
3日間熟成させたキジハタを捌いたところです。
刺身は薄造りにしました。
食べる時は、ポン酢ともみじおろしがあうと思います。
キジハタを熟成させることで、身が柔らかくしっとりとした食感になり、甘みと旨味が増しています。
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