釣りは自然相手のレジャーで、危険とは隣り合わせの趣味です。毎年、何人もの方がお亡くなりになっています。私は、父親が釣りの師匠でポイントや釣り方だけでなく、釣り場での安全面での心得も仕込まれました。子どもの頃から、ずっと魚釣りをしてきましたが、あらためて思うことは、釣果をあげることよりも、大事なことは無事に家に帰ることだと思っています。
- 安全に釣りを楽しむための装備は何が必要か
- 無事に家に帰るために注意することは何か
この記事では、私が主に釣りにいく堤防での安全対策について紹介しています。
堤防釣りの安全対策1:ライフジャケットの着用
安全対策として、最も基本的なものがライフジャケットです。着用していれば浮いていられるため、万一落水しても生還できる可能性が高まります。国土交通省のHPには、船舶からの落水時の救命率が掲載されていて、令和2年では、ライフジャケット着用時の生存率は87%であるのに対して、未着用では39%だとのことです。ライフジャケットには、固形式と膨張式があり、それぞれにメリットや注意点が異なります。
固形式ライフジャケット
浮力材が付いたベスト型のライフジャケットです。収納が多く、プライヤーやフィッシュグリップなども身に付けやすくなっています。転倒しても浮力材がクッションの代わりにもなります。夏は暑いこと、経年劣化すること、股紐をつけないと落水時に脱げることがデメリットです。
膨張式ライフジャケット
水を感知すると、自動で膨らむタイプと手動で膨らませるタイプがあります。軽く動きやすいメリットがあります。自動膨張式は雨天時に誤作動で膨らむきとがあること、手動は万一の時に冷静に操作できるか不安があることがデメリットです。身に付け方は、肩にかけるタイプと腰に巻くタイプがあります。
堤防釣りの安全対策2:滑らない靴を履く
ライフジャケットが落水後の安全対策であるのに対して、そもそも落水しないための対策が滑らない靴を履くことです。堤防に関していえば、スパイクブーツや長靴は滑ります。コンクリートにグリップしません。オススメはハイパーVソールを採用している写真のような靴です。スニーカータイプで長時間立っていても疲れることないし、実際に滑らないのでここ10年以上、はきつぶしては買い直して重宝しています。ただし、ノリの生えたような茶色のテトラは滑りますので、のってはいけません。
堤防釣りの安全対策3:天気予報を確認して無理しない
通常であれば、風速5m以上で釣りが難しくなります。また、波高も2.5m以上あれば、堤防の高さによっては、波が打ち付け、釣りができなくなります。釣りに行く前に天気予報では風が強くなるのか、風向きはどうか、満潮に向かうのか、干潮に向かうのかを考慮して無理しないことが重要です。また、落雷によって亡くなられた釣り人も多くいます。空がピカピカ光っていたら、この時点で結構ヤバくなっています。雷雲が近づく前に自分は急いで片づけて帰りますが、雷注意報がでている時点で釣行の際には細心の注意を払ったほうがよいと思います。
堤防釣りの安全対策4:上がれる場所があるか確認する
堤防の内側には、船をあげるためのスロープがあります。また、漁船と岸壁の間には緩衝材や係留ロープがあります。これらの位置と釣り座からのルートを前もって確認しておくとよいと思います。外海で釣りをする場合は、満潮に向かうときは港内に入る流れとなりやすいですが、干潮に向かう時は外海への流れとなりやすいので、潮の流れも確認し、万一の場合にどう行動するか確認しておくことが重要だと思います。
堤防釣りの安全対策5:釣り禁止の堤防には行かない
釣り禁止の堤防には、禁止になった理由があります。漁師と揉めたとか、ゴミ放置とかありますが、何人も釣り人が亡くなっているから禁止のところがあります。有名なのは茨城県の鹿島港南防波堤で、これまでに70人以上がなくなっているそうです。釣り禁止のところに立ち入らないようにして、別の場所で釣りをしたほうが良いと思います。
堤防釣りの安全対策6:周りは全員初心者だと思う
スマホで調べればいろんな釣りの知識、情報がわかります。しばらく釣りを続ければ、竿の扱いにも慣れ、道具をそろえればいっぱしの釣り師のようになります。見た目は立派な釣り師でも、大事なことが身についていない人がいます。それは、キャストの前に周囲に人はいないかを確認することです。自分がキャストの際に注意するだけでなく、自分が被害にあわないように後ろに近づかないことも重要です。自分の周りにいる釣り師が自分と同じように周囲の安全に配慮する人ではないという前提で行動することが重要です。釣り針が返しまで刺さったら、病院でないと外せないと思います。また、傷害保険がなければ、病院代とか慰謝料とかがすべて自腹になります。人を釣ったとか、笑い話にもなりません。
堤防釣りの安全対策7:スマホを防水ケースに入れる
万一、落水したら、救助を呼ぶことになります。海の救助は、海上保安庁で電話は118番です。連絡できるように覚えておくだけでなく、スマホは電話できるように防水ケースに入れて充電も十分ある状態にしておく必要があります。
堤防釣りの安全対策8:海に背を向けない
小学生のころ、父親と地磯で釣りをしていた時、急に海面が盛り上がり、膝下から洗われたことがあります。とっさに踏ん張ってこらえましたが、晴れていて、風もなく時化てもいない日だったので、驚いた覚えがあります。海に背を向けていたら、とっさの行動ができずに波にさらわれていたかもしれません。凪の日でも油断なく、海の変化に注意しておく必要があります。
堤防釣りの安全対策9:魚に触れる際には注意する
ヒレに毒のある魚が危険なのは、もちろんですが、歯が鋭い魚も危険です。身近な魚でも、カマス、サゴシ、ヒラメなどがそれにあたります。実際に、私もカマスの歯で指をケガして血だらけになったことがあります。
また、ルアーで大型の魚を釣ってフックを外す時に魚が暴れてフックが手に刺さったという話も聞きます。魚を釣った後に安全に針を外すために、フィッシュグリップやプライヤーを持っていくことをオススメします。
堤防釣りの安全対策10:釣り場は危険であると認識する
釣り場は危険であると認識して慎重に行動することが何よりも重要です。自然相手であるため、自分の思い通りにはなりませんし、容赦もありません。自分の行動と選択の結果責任は自分でとることになります。事故にあわないためにも、事故に合われた方の体験を読んで、予備知識を身につけることも危険回避には有効なことだと思います。
まとめ
比較的、安全に釣りができる堤防でも安全対策として重要だと考える10の対策を解説しました。これらの対策を参考に安全に釣行されてください。
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